つるかめ診療所の名前の由来
苗字では、覚えてもらえない
診療所の名前を付けるのは本当に大変な仕事だと思います。ネーミングによっては、イメージダウンにつながるかもしれません。今日は、つるかめ診療所の名前がどのように決まったのか振り返ります。
院長の苗字を診療所の名前にすることはよくあります。私達の場合だと「つるおかクリニック」とか「鶴岡医院」とするのがオーソドックスですよね。しかし、音としても文字としても、なんだかパッとしない。鶴岡家のルーツは千葉で、そもそも栃木にほとんどない苗字ということもありました。絶対に覚えてもらえない。病院に勤務していた時から感じていたことです。おまけに「鶴」の字は画数も多く、書くのも面倒です。
ひらがなで3文字か4文字
そんな時、愛知県みつば在宅クリニックの舩木良真先生から、ひらがな3文字にこだわったことや、「診療所名+先生」たとえば「みつば先生」と呼ばれることが大事と教えていただきました。言われてみれば研修医時代の先輩、愛媛たんぽぽクリニックの永井康徳先生も「たんぽぽ先生」と呼ばれている!4文字でも良いかな、と心の片隅に思いました。
「つるかめ」なら忘れない、と言ってくれた96歳女性
ふと頭をよぎったのが自治医大で在宅医療をやっていた頃に担当した96歳のおばあちゃん。「鶴岡なんて難しくて覚えられない。鶴亀なら覚えるられる」とおっしゃり、この方、鶴岡優子のこと鶴亀1号、私のことを鶴亀2号と呼ぶようになりました(笑)。下記サイトは週刊医学界新聞の記事で、内容は違いますが、このおばあちゃんが写っています。懐かしいなぁ。
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2008/PA02772_02
「つるかめ診療所」、医療機関名として大丈夫か?
鶴岡優子はこれだと思い「つるかめ診療所」にしようと言い出しました。私としてはとても抵抗がありました。ちょっと、ふざけた感じがしますよね。このような言葉を診療所名として使って良いのものか悩みました。とりあえず保健所に問合せると、大丈夫、圏域内で誰もつかってないから、というお返事でした。駄目と言ってくれ~!と心で叫びながら、結局この診療所名で提出しました。
「鶴は千年、亀は万年」 気持ちは明るく
名前が決まれば腹を据えるしかありません。私達の仕事は、人生のさいごまで寄り添うことが多く、それは傍から見れば暗いイメージかもしれません。だからこそ、診療所の名前くらいは明るく行こう。「鶴は千年、亀は万年」、看取りが近くても希望を持っていこう。つるかめ診療所でいこう。
今はとてもこの名前が気に入っています。