本物の主治医になりたい
「本物の主治医になりたい」
これはとちテレさんがつけてくださったタイトルです。
3月22日(土)20時〜20時55分に放送された、
とちテレ開局25周年記念報道特別番組でした。
とちぎテレビの飯島誠さんが1年以上取材されて、
つけてくれたタイトルがこちらでした。
そんなこと、言ったかな?言ったかも?
自分の知らない自分が映し出されるようで怖いです。
実際、自分では見れない自分の後ろ姿を見てしまい、
こんなに太ってたの?とびっくりしました。
どこに行っても
自治医大の大学病院で在宅医療に出会いました。
夫婦でつるかめ診療所を開業してからは、
常に担当している患者さん達のことが頭にありました。
旅行に行っても、学会に行っても、寝ていても、
常に頭の中に患者さん達がいるのです。
病名と経過、検査結果、家族構成、ダイジにしていること。
私の頭の中も担当できる患者さんも限りがあります。
在宅療養支援診療所として登録している以上、
24時間体制をお約束しているから当たり前。
はい。それも理由の一つなのですが、
それだけではないように思うのです。
家族みたいな?
さらにさかのぼること約30年、
研修医の時に先輩である上級医から言われました。
「患者さんは自分の祖父母だと思って接するように」
上級医が病状説明をしている傍で研修医が泣きました。
初めて受け持った患者さんの死亡確認で泣きました。
上級医はため息まじりに言いました。
「患者さんは自分の家族ではない。泣いてはいけない」
そうですか?「家族ような人」のつもりでした
主治医はつらいよ
主治医はつらいよ、時々そう思います。
男はつらいよ、女もつらいよ、皆さんつらいよ。
担当する患者さん達は親世代が多くなりました。
同世代の方も、年下の方もいらっしゃいます。
主治医になりたい気持ちは研修医の頃と同じまま。
そうか、テレビ局の飯島さんはそれに気づいてくれたのかな?
主治医にできることが限られています。
医療にできることは限られています。
患者さんやご家族と一緒に揺れ続けているのも、
研修医の頃と変わりがありません。
頼りない主治医のままなのです。
ウチの人、すごい!
今回の取材でつるかめの患者さんとご家族にマイクが向けられ、
堂々と意見を言われる姿に大きな勇気をいただきました。
時々カメラ目線になりながら、周りを気にしつつ、
少しおしゃれして背筋をシャンと伸ばして、
カメラの向こうの社会を意識してお話されていました。
つるカフェや劇団ザイタクの仲間の言葉も、
照れ臭くも嬉しく、ずいぶん励まされました。
自分自身にマイクを向けられて気づくこともありました。
つくづくウチの人たちはすごいと思いました。
ウチの人に感謝!
そもそもウチの人って誰でしょうか?
つるかめ診療所の患者さんとご家族、
つるカフェの仲間、劇団ザイタクの仲間、
下野市民や栃木県民、そして自分のリアルな家族、
今回のテレビ番組の取材にご協力いただきました。
取材を受けることには、かなり勇気が必要でした。
想像しなかったことですが、映像になった言葉や声に、
私自身、温かさと大きさを感じて励まされました。
身内というか、やはりファミリーなんだな
と勝手に解釈することにしました。
ウチの人たちに感謝の気持ちでいっぱいです!
(つづく)